ヘタレ彼氏
それからは、あのメールの文章とさっき見た佐藤宏平の顔を頭の中で照し合わせていた。
うーん、どうもピンとこない。
もっとこう、なんていうか、うん。
どう言ったらいいのか分かんないけど、イメージと全然違うんだよね。
背も高いし、清潔そうだし、目鼻立ちもしっかりしてた。
…話がしてみたいなぁ。
私は、そう思うようになっていた。
やっぱり、異性にメアドを聞くのは、その人が気になってるから?
私、自惚れてみてもいいのかな。
けど、変に自意識過剰になっても傷つくのは自分だし。
ひとり悶々としながら、私は家路についた。