おさなな・ぺっと
変に自信を持ったあたしは、健太の手を握って、


「大丈夫だよ健太。今は辛いかもしんないけど、あたしがいるからっ!」


なんて言ってしまった。


これが彼の神経を逆なでしたらしい。


さっきまでがっくりうなだれていた少年は急に水を与えられた植物のようにピシッとなって、あたしを睨んでくるじゃないの。


「ばっ、お前何考えてんだよっ!!俺が別れたらじゃあ、あたしと??ってか」


うっ。
全てバレてしまった。


こういうとき、自分が馬鹿で相手が頭イイと困る。
もっと時間をかけて健太をなぐさめていたなら…と思っても後の祭り。


それから健太は誰かと付き合ったり付き合わなかったりを繰り返し、
あたしは誰からも告白されない日々を送って、中1を迎える。
< 19 / 35 >

この作品をシェア

pagetop