おさなな・ぺっと
小学校6年になると、クラスでも頭のいい子たちが何だか雰囲気を変えた。

「あたし、S女の付属中学、受験するんだ」
「あたしも」
「俺はT高の中等部。中西は?」
「う~ん、僕はT中かな」


こんな会話がなされたかと思うと、その一週間後には彼らはお勉強を始めていた。
どんな問題が解けただの、どう解くの、だの…。


ちなみにあたしは全くの蚊帳の外で、公立中のI中への不安しかなかった。
ワルい子が多いって言われてるI中。


あたし、やってけるのかな。


デブとか言われたりしないかな。
いや、言われるか。


でもしょうがないか、事実なんだし。



そして夏には、健太がT中を受験するとみんなが話し出した。
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