おさなな・ぺっと
泣いててもしょうがない、と思って健太の家に直談判しに行ったのは、あのバレンタインからほぼ3年後の12月。


あたしは寒さと緊張で震える手でチャイムを押した。
ふうっとはいた白い息が紺色の世界に溶けていく。


「はぁ~い」


健太のお母さんだ。
のんびり屋さんで明るい人で…健太とは正反対。


「結菜です。白石…」
「まあっ!結菜ちゃん久しぶりじゃない??」


おばさんはとてもうれしそうにそう言う。
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