おさなな・ぺっと
さてはあたしが涙を目に浮かべてるからかしら。
健太、もしかしてあたしのこと、心配して…!?


「頭ぶつけたくらいで、こんなにひどいタンコブ出来るなんて…」

はっ??


「結菜、明日学校で笑われても俺のせいにはするなよ。でもごめん、とだけ言っとこうか」

「そんなに…ひどいの?てかタンコブなんてあるの??」


涼しい顔して言うもんだから、余計に信憑性がある。
こういうときの健太はホントに、嘘ついてんのか本当のこと言ってんのか、わかんない。


「ああ…。すまなかった。いくら結菜でも女だもんな」


そこまで??


あたしは不安になってきて、

「健太、鏡持ってる!?」

と聞いたけど、「ううん。洗面所にあるよ」って言うから、洗面所までダッシュで行った。
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