おさなな・ぺっと
洗面所に入って大きな鏡で自分の顔を見る。


な~んだ。
何ともないじゃん。

ちょっとだけおでこが赤いけど。
別に変な色になってることもなく、大きなタンコブが出来てることなんて、もちろんなかった。


…………ってことは。



嘘つきやがったな健太ーっ。
走って部屋に戻って殴ってやろう、と思ったらあたしのまん前に立っているじゃない。


「ぶっ…あっはっは……お前、ほんっとに馬鹿だなぁ」


……やられた。



馬鹿にしたような笑い方ですらカッコいいのに、こうやってホントに笑われると、もうあたし、どうしようもないの。


健太の笑顔がダイスキ。


あたしのすることで健太が笑ってくれるんだったら、いいかあ…なんて思ってしまう。

これが惚れた方の弱みよね。
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