おさなな・ぺっと
「俺さ、好きな子いるから」


小3のバレンタイン、あたしはママと一緒に頑張って作ったチョコを片手に健太の家まで行った。


とは言っても、家は一つぬかしてほぼ隣どうし、というくらい近いから、別に健太の家に行くことが重労働なわけでもなんでもない。


…でも、女の子が男の子にチョコを渡すためにドキドキしながら歩く距離って、何でもないときとは比べ物にならないの。


しかもあたしはそんな風にデブデブ言われてたもんだから、すっかり不安になってたし。



健太はあたしのチョコレートを受け取ることもなく、けれどあたしの目をしっかりと見て、そう告白した。


【好きな子が、いる】
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