季節のあいだに
「あ〜れ?亜希…?」

奈津が戻ってきた。

「こんなとこで何してんの〜?もう外真っ暗だよ?」

「あ、えっと、なんかぼーっとしちゃってっ!驚いたよね!ごめんねっ」

慌てて涙をふいた。

「そっかそっか♪」



…どうなったんだろ。
聞かない方がいいかな。
でも…答え分かってても、奈津の口から聞かなきゃ、前に進めないっ!


「あっあのさっ!」

「どした〜?」

「あ…相澤さんのこと…その…」

「あ、知ってたん?」

「ごめっ…あの、呼び出されたって聞いちゃって…」


聞いちゃった。
やっぱりなんか、奈津の口から聞くのは怖いよ…


「あ〜あれ、断ったよ?」



…へ?

何?
断ったって言った?


「…断った…の?」

「うん。何、どした?」

「だって相澤さんは、かなり美人で…男子みんなの憧れで…それで…だから…」

「ははっ、だから俺が断ったのにびびったのかっ!」

奈津があたしの頭をぽんぽんした。

ドキドキした。


「そりゃ美人かもしんねえけど、俺ああいうお嬢様系苦手なの。クールってゆーの?駄目なんだよなあ〜」

そうだったんだ。

意外だった。
奈津にお似合いなのは、クールな女の子って感じだったから。
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