季節のあいだに
「俺は、なんか気軽に話せる子がいいっ!ほんで、笑顔の可愛い子がいいな♪」


初めて知った奈津のタイプ。

あたしは…きっと駄目だな…

奈津の前では多分、顔ひきつってるし、ちゃんと話せてるかどうかも分かんない。


「だから俺相澤は興味なしっ!」

「へ〜そうなんだ。」

「俺は亜希みたい子いいと思うぜっ♪」

「………え?」

いきなりの奈津の言葉に戸惑った。

「奈津ってば何言ってんのっ!」

「亜希の笑顔はいいと思うよ、うん。笑 なーんて、きもいな俺。笑」

奈津はいつもさらっと言うんだ。

あたしの心臓がバクバクなのも知らないで。


あたし、知らないうちに、奈津の前でちゃんと笑えてた…?

そうだとしたら奈津のおかげだな。
奈津に元気もらってたもん。


「だから、亜希にはいい人必ず現れるよっ♪俺いつでも協力するぜ!」


馬鹿。
奈津が言うなよ。
奈津の馬鹿。
鈍感すぎるよ…


「ん…ありがと。」

あたしはそう言うしかなかったんだ。
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