季節のあいだに
今さら後悔したってもう遅いよね。

あたしが撒いた種。


奈津はきっと、あたしと話さなくなったくらい、どうってことないよね。

でもあたしは…

もしあたしが小さな芽なら、水が、水がね、ないのと同じなの。

奈津が居ないと、奈津の笑顔がないと、あたしは枯れちゃうの…


もともとあたしは種だったの。

その種に芽を出させてくれたのは、奈津なんだ。

奈津、またあたしに水をくれないかな。

きらきら光る、きれいな水は、奈津からしかもらえないのに…
それなのに、あたしは、奈津の笑顔を正面から見ることも出来ない。

ただ、ただ、横顔を見て、奈津の遠さを感じたの。
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