季節のあいだに
夏が終わりに近づいてきた。

あたしはクラスの女子に呼び出されたの。


「何か用?」

あたしは呼び出された理由がまるで分からなかった。
でもあるとすれば…

「最近奈津と話してないよね?」

来た。奈津の話だ。

「それが何?」

「もう奈津と一生関わんないでくれる?」

「なんであなたに言われなきゃならないの?」

「みんなの奈津にさ、みんな貸し借りしてやってんのに抜け駆けしようとして、まあ到底出来ないだろうけど…目障りなんだよ。」


…貸し借り?

怒りがこみあげた。

「奈津のこと、物みたいに言わないでよ!あたし…あたし奈津から引き下がる気ないから!!」

「はあ〜?まじ生意気なんですけど。」

ドンっ

あたしは床に突き飛ばされた。

「痛っ…」


足首を捻挫したみたい。
立とうにも立てない…


その女子はさらに迫ってくる。


その時遠くから声がした。

「亜希〜!!」
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