季節のあいだに
「初めましてっ!俺、矢島奈津ね。よろしく♪」

そうやって、幼い子みたいに笑う奈津。

あたしはほんとにドキドキした。

「は、初めまして!えっと…あたし、川岸亜希!こちらこそよろしくねっ」

あたし、奈津を前にして、まともになんて話せない。

「なぁに〜緊張してんの〜?大丈夫だって〜!」

奈津、あたしがこんななのは、奈津の前だから、奈津に恋してるからなんだよ。



奈津は背が高くて、かっこよくて、頭が良くて、誰にでも優しくて…みんなから好かれてる。

となりの席に居ても、すごく遠い人で、見えない壁を感じたの。

いくら話しかけてくれても、奈津はあたしにとって、雲の上のお星様みたいな存在なんだ。
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