君はここにいた。

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――――…


 そんなわけで、大倉に呼び出された俺はいま、学園近くの大きな図書館に来ている。



「―― 凌ちゃーん! わけわかんねぇよ、もう」


 目の前でうなだれる大倉を見下ろす。
 大倉が俺を呼び出したのは、夏休みの課題を手伝わせるためだったらしい。


「なんで俺なんだよ?」

「だって凌ちゃん、期末学年2位だったし」

「そうだけどさ」


 面倒くさい役を頼まれたな、なんて。


「なんで、槝木じゃないの? 槝木1位じゃん」


 今度は隣にいたケンが聞く。
  







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