君はここにいた。

「だからさ、頼むよ凌ちゃん。それからケンも、なッ♪」


　大倉が満面の笑顔を浮かべて俺とケンを見る。
　
　まぁ、大倉とも長い付き合いだし。たまにはいいか。


「しょーがないなぁ。俺、何か本持ってくるわ」


　そう言って大倉の頭もポンと叩いてやった。
　ただ教えるだけじゃつまんないし、何かおもしろい本を探そう。




　俺は、館内をまわってみることにした。



　今日は休日ってだけあって、勉強しにきた学生がいっぱいいる。
　俺は、あんま図書館で勉強するのは好きじゃない。図書館は静かすぎて、なんだか落ち着かないからだ。





　ふと、足が止まる。