君はここにいた。
槝木が声をあげて笑う。
つられて俺も笑ってしまった。
「―― お前ら、ちょっと遊んでこい」
「うん!」
ベンチの前に座る子供達に槝木が声をかけると、子供達は勢いよくグランドを駆けて、アスレチックの方へと行った。
その姿を確認して、槝木が俺の方に向き直る。
「いまの…槝木の兄弟?」
それにしては全然似てなかったけど。
とりあえず聞いてみる。
「まぁ、そんな感じ」
「感じって…」
「感じは感じだ」
そう言って、槝木が持っていたギターの弦をはじいた。