君はここにいた。
それは、10日前―― 雨の降る夜だった。
突然、母さんが「アイスが食べたい」と言いだした。頼みの言葉一つなく僕の右手に100円玉4つが託される。
僕は何故か反論することもなく「じゃぁ、行ってきます」と気づいたら雨の中を透明なビニール傘を差して歩いていた。
たどり着いたコンビニは「セ●ンイレブン」だとか「ミニ●トップ」のような大手のコンビニではない。全然名前も聞いた事もない小さなコンビニだった。
数日かけて近辺のコンビニリサーチした結果、ここが一番ぶっちぎりでアイスの種類が豊富であるとわかっていた。
そんなわけで、僕はわざわざ少し遠いこのコンビニまで歩いてきてしまったのだ。こんな雨の中。