君はここにいた。



「ちょっと手伝ってくれないか? 簡単な作業なんだが」


「え?あ…はい」


「悪いな」





 こういう時、断れないのが悪い癖。


 まぁ、この後の用事も特にないし、ちょっとした暇つぶしにはなるだろう。





「あとー…」





 先生は何やらボソッとつぶやきながら、教室の中を覗き込んだ。
 いま教室の中には、男子数名と女子数名が残っていて、何かしらの話題で盛り上がっている。


 先生は誰かを探しているのか、キョロキョロと頭を動かした。

< 156 / 204 >

この作品をシェア

pagetop