君はここにいた。
「ちょっと手伝ってくれないか? 簡単な作業なんだが」
「え?あ…はい」
「悪いな」
こういう時、断れないのが悪い癖。
まぁ、この後の用事も特にないし、ちょっとした暇つぶしにはなるだろう。
「あとー…」
先生は何やらボソッとつぶやきながら、教室の中を覗き込んだ。
いま教室の中には、男子数名と女子数名が残っていて、何かしらの話題で盛り上がっている。
先生は誰かを探しているのか、キョロキョロと頭を動かした。