君はここにいた。
3.かたち
次の日。
僕は、いつも通り一番乗りで教室に入った。
誰もいない教室は妙に広く静かである。殺風景とでも言っておこうか。
だけど、僕はこの時の教室が一番好きだ。この雰囲気が好きだから、わざわざ1時間半も早く学校に来ているのだ。
こうして椅子に座って、何を見るわけでもなくただじっと外を眺める。それが、なんとも心地良い。
英語の宿題の見直しでもするか。
ふとそう思い、カバンから英語の教科書を取り出した時だった。