君はここにいた。

 
「―― おはぁ!」




 教室の前のドアが勢いよく開き、陽気な笑顔でアイツが入ってきた。




 アサギ リョウスケ――。

 唯一、僕に毎日話しかけてくるヤツだ。


 彼も僕と同じチビに分類される。だけど、彼はルックスが良い。

 昨夜の彼のような“美しい”とは違い、どちらかと言うと“可愛い”に入るのだろう。


 茶色のちょっとクセの入った長めの髪。前髪は色つきのピンであげている。チラっと見える耳にはキラッと光るピアスを刺してある。


 そして、この笑顔。これが女子の注目を得る最強の武器なのだろう。彼のまわりにはいつも女子が集っている。

 もちろん女子だけじゃない。男子にも抜群の人気がある。
 いつだって彼のまわりは、賑わってるんだ。




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