君はここにいた。


 僕は自転車を止めると、さっきの女の子のように彼の前に立った。


「…可愛い彼女だね」


 ふと思い、僕は大胆にも言ってしまった。
 彼が、相変わらずな不機嫌面で睨んでくる。



 昨夜は暗くてはっきり見えなかったが、こうして改めてみると、本当に彼は美しい。
 色白で瞳は透き通っていて、まつ毛は女の子のように長い。
 彼の美しく長い髪は、黒に近い蒼色をしている。




 こんな彼氏を持つなんて、あの女の子はきっと幸せだろう。

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