君はここにいた。
「いいこと教えてやるよ。“友達”がほしいなら、他人から好かれるような人間になれ。信じられないとか言ってないで、いつか本当の“友達”になれる時がくるのを、バカみたいに信じて待ってみろよ」
そう言う彼の目がどこか哀しげだったのを、僕は今でも覚えている。
「空白のページは、アンタが描いていくんだ。何も描かなければ、一生そのままだ」
彼が立ち上がる。
今度は僕を見下ろす形となった。
「無理だよ…」
無理に決まってる。
友達なんて信じられるわけがない。
信じたってどうせ裏切られるだろ。
「信じられないって言うから、無理なんだよ。アンタは自分に暗示をかけてる。自分は友達なんて信じられるわけがない。ただ、そう思い込もうとしているだけなんだ」