君はここにいた。



 ただ、槝木とはあまり話したりはしない。




 クラスが離れているから、というのもある。
 彼が常にいろんな人に囲まれているため、声かけるにもかけられない、というのもある。


 というか、彼は僕の名前を覚えていないかもしれない。


 彼と出会ったのは、1年前のことだ。
 彼とちゃんと話したのは、その時ぐらいだ。



 きっと、彼はもう俺のことなんて忘れているだろう。



 なんせ、彼の周りには数え切れないほどの人がいるのだから。




 

 ちょっとくらいは、覚えててくれると嬉しいのだけど…



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