君はここにいた。


「な、なんで? 俺、1時間も早く出たのに」

『俺が知るかっ!』

 


 本当に何でだ


 もしかして…



 いや


 もしかしなくても、俺、寝てたのか…?




『とにかく、早く来いよ。待ってっから』



 そうケンが言って、電話は切れた。


 俺は、携帯を制服のブレザーのポケットにしまい、さっき携帯と一緒に放っておいた鞄を首にさげた。



 そして、自転車にまたがり一目散に走り出す。




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