君はここにいた。
「その格好のまま行くのかよ?」
「だって…着替えとかないし」
家に帰って夏服着てくるのもいいけど、この時期に夏服はちょっと…いや、けっこう寒い。
俺が少し考えていると、彼は予想外の言葉を口にした。
「サボればいいじゃん」
は?
驚いて彼を見つめる。
彼の言葉が理解できなかった。
「入学式なんて、かったるいだけだし」
彼が溜め息をつく。
それから、ニヤリと意地悪っぽく笑う。
「そう思わない?」
今度は同意を求めてきた。