23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して
追いかけ回して、蹴りを入れたりして。
もちろん本気で蹴ったりはしないけど、小出は少し当たればいつも大袈裟に痛がっていた。
「いってーな! 暴力反対」
「口で言ってもわかんないバカが何言ってんのよ」
中学に入学してから半年、毎日こうしている間に大嫌いなあいつは私の学校生活の中心になった。
今日はどのタイミングでちょっかいを出してくるのだろうか……と、気が抜けないのだ。
本気でムカつくし、嫌なことはされたくない。
だけど、何もされないと寂しい。
他の女子と仲良く話をしていると、あいつを取られた気がする。
優しくしているシーンなんて見た日には胸がかきむしられるような感覚が走った。
私には女扱いなんてしないくせに。