23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して

 ただこうやって、バカみたいに追いかけ回していたいだけ。

 ガキっぽい笑い顔を見て、怒った素振りをしていたいだけ。

 私「だけ」に、毎日ちょっかいを出してほしいだけ。



 二年生になっても、クラスがあいつと一緒になった。

 それを知ったときにガッツポーズが出たことは、きっと誰も知らない。

 また今までのようにあいつとケンカができる。

 ……そう喜んでいたのは、始めのうちだけだった。

 男女の仲に敏感なクラスメイトたちが、毎日戯れる私たちをいやらしく冷やかし始めたのだ。

 その結果、学年中にこんな噂が広まった……。

「小出と三村が両思い」

 
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