23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して

 噂はもちろん、本人の耳にも入る。

 両思い。

 本当だったら嬉しいが、自分の気持ちを知られているのはそれ以上に恥ずかしい。

 恥ずかしいと同時に、怖い。

 噂がガセだったら失恋だ。

 失恋を認める度胸なんて、私には皆無。



 人の気も知らないあいつは、あろうことかそれをネタに私をおちょくってきた。

「三村、俺のこと好きなんだって? ま、俺は何とも思ってないけどな」

 何とも思っていない。

 あいつの言葉が胸に突き刺さり、刺されたような激しい痛みが胸を走る。

 それでも、私がここで落ち込むわけにいかない。

 姉御の称号にかけて。

「は? 何勘違いしちゃってんの? 一回死ねば?」



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