23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して
こうしていつものように喚き合いになる……はずだった。
しかし。
「ヒュ~」
クラスの男子たちの冷やかしに、私たちはピタリと言い合いを中止した。
一瞬だけ互いに顔を合わせて、ぷいっとそっぽを向く。
それから私たちは、自由に話すことさえできなくなってしまった。
二人ともこの恥ずかしい噂をかき消す方に意識を集中させたのだ。
あいつと一言も話さない日々が続く。
入学して以来、こんなことはなかった。
目で追う、目が合う、目を逸らす。
それだけじゃ寂しい。
前みたいに言い合いたい。
蹴りでもいいから触れ合いたい。
モヤモヤを払拭できない私は、毎日彼の描いた似顔絵を眺めてはため息をついた。