23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して

 私の心に点された火は、どんどん気持ちを燃やしていった。

 男同士でふざけ合うあいつを見ては火力が上がり、心は痛む。

 触れ合うことや言葉を交わすことをぐっと我慢するから、胸はずんずん重くなっていく。

 燃えた木が炭に変化するように、燃えた私の気持ちもガラリと変わってしまった。

 思春期ということもそれを手伝ったのだろう。

 少し前までは毎日ケンカができればそれでいいと思っていた。

 もうそれじゃ足りない。

 微笑み合いたい。

 手を繋ぎたい。

 そういう意味で特別になりたい。

 話すことすらなくなって距離はぐんと離れたのに、前よりもずっと近い存在になりたいと思うようになった。

< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop