23.5cmの卒業証書 from ペアリングを外して
二年生も終わりに近づいた二月。
もう半年以上気持ちの高ぶりに苦しんでいた私は、一大決心をした。
「小出にバレンタインチョコを渡そう」
それで私の気持ちは何となく伝わるはずだ。
あいつに冷やかされたって、この際もうどうでもいい。
この苦しさから解放されたいだけなんだから。
女子が色めくこの時期に、私はこっそりとチョコレートを準備した。
スカートのポケットに入るくらいの、小さな箱のチョコレート。
朝、登校時からいつでも渡せるよう、ポケットに忍ばせておいた。
ドキドキする。
もう何ヶ月も話してないのに、今更どう話しかければいいのだろう。
勇気がない。
姉御のくせに、私は根性なしだ。