天使の中身は悪魔なお姫様!?


次の日、オレは1人、昨日の公園にいた。



歩夢に用が出来たらしく、遅れてくるらしい。


今は昨日、天使が通った時間に近い。


天使は通るんやろか・・・。


天使に会いたい。

天使をみたい。

天使の声が聞きたい。



オレの頭は天使、天使、天使・・・やった。





「やっぱ来ーへんな。」



オレはベンチに寝そべって空を見上げた。




ゴオ――――――・・・ッ



昨日と同じ、甘い香りのする強い風が、オレの鼻をくすぐる。


オレは飛び起きた。




「見つけた・・・。」

天使がおった。

昨日と変わらんメガネの奥の、丸い瞳。

背中の真ん中まである栗色のカールしてある髪。
栗色の髪には、可愛らしい髪飾りが付いていた。


オレはベンチから離れ、一歩前に出た。

少しでも彼女に近づきたかった。


ゴオ――――――・・・ッ


同時にまた強い風が吹いた。



「きゃっ・・・。」

「あ・・・。」

風のせいで、彼女の髪飾りが、オレの方に飛んできた。



「す.スイマセンっ!!取ってください!」


オレは無言で彼女の髪飾りを、掴んだ。




「良かったあ・・・。」



彼女は栗色の髪を揺らし、走ってくる。



「はい・・・。」



オレは壊れ物をさわっているように、髪飾りを手に乗せ、彼女に手渡した。




「ありがとうございますっ!!これ、あたしの大切な物なんですっ!!」




彼女は極上の笑みを浮かべた。

同時に彼女はメガネを取って、大きな丸い瞳を露わにした。



ほんまに“天使”や。





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