雨女がくれた恋の奇跡
「高島。部下に自分の仕事の半分をやらせるなら、部下じゃなくて、俺が引き受けるから」


「部下には仕事を回すことはしないでくれ」とキッチリ言ってやったら、俺に嫌みな顔を見せて、


「あぁいいよ。部下じゃなくて、島田お前に仕事を回してやるよ!」


高島に偉そうに言われて、俺はムカついた・・・。


町が薄暗くなる頃には再び雨は止み。


冷たくぬれた薄暗い道には並ぶように街灯に順序よく明かりが灯り始めて夜を迎えた。


普段は5時に終わる仕事が今日は7時半まで、残業が残っていた。


作業時間が終わって、俺は背伸びして一言「あぁ〜仕事が終わった」と呟きながら


疲れた顔なんて見せるどころか俺は同じ上司の高島に対して、怒りをつのらせていた。


「あの野郎。先に帰りやがって、俺があいつより先に昇進したら、今度はあいつに山盛り仕事を押し付けてやる!」


先輩の高島さんに対しての不満の声に合わせるように、俺は納得した顔で話題にするような感じに話した。

「まったくですよ。自分の独裁主義に気ずいてないんですかね」


俺の話した言葉に先輩は


「あの頭じゃ気ずいてないだろうな」


高島さんをバカにした言い方をした。


先輩の高島さんに対する、怒りたくなる気持ちは俺も同じだった。


「工場長クラスならわかりますけど、先輩と同じ地位でやることが最低ですよ」と俺と先輩は高島さんの不満を言い合いながら、作業場のあと片ずけをしていた。


そこに私服で現れた。同僚の石田さんが通りがかりに話しかけて来た。

「おぉ〜あと片ずけですか〜」と僕は島田上司と綾野さんに気楽に声をかけた。
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