雨女がくれた恋の奇跡
ふたりで笑いながら、華を手に入れて、満足だった。俺は愛車を走らせて、ホテルへと向かった。

車が走り去った。後に、俺は肩の力が抜けて、陽が暮れる頃には誰もいなくなった。アパートの入り口の前で、頭を下げた。まま呆然と立ち尽くし、心の中で
「大事にしていたのにって・・・」

悲しみを堪えながら、落ち込んだ。気持ちのまま、ひとり思い込んでいた。

相手の男すら、怒鳴ることができなかった。

自分に苛立ち、ただ自分の情けなさを感じながら、付き合っていた。彼女は元カノに変わってしまって、俺は失恋をした。

失恋してから、家に帰って、「華は一体、何を考えているんだ!」

「俺の何が悪いんだよ!」
「俺の他に男作りやがって!」と浴びるほどに大酒を飲み。独り言を呟きながら、空き瓶や空き缶で、散らかった。
部屋の中で、そのまま酔いつぶれて、眠ってしまったりと。

仕事が休みの日は家で、過ごしても、ため息ばっかり出て・・・。気持ちがスッキリしないから、「部屋に居ても、落ち込むだけだし、海でも眺めに行くか」

そう思い。借りている。駐車場から、車を出した。
それでも気晴らしに、車で海へと出かけたりしているけど、そう簡単には元カノとの思い出は消えなかった。

悲しい思い出を抱えたまま、今日も会社へと出勤した。

会社に着いて、タイムカードを出勤日数を記録する。機械にタイムカード押して、仕事に就いた。

俺の仕事は工場で、テレビの部品を組み立てる仕事をしています。
ロッカールームで作業服に着替えているときに、島田先輩が元気よく。陽気に声をかけてきた。
「おはよう。綾野〜」
ロッカールームを出て、作業場に向かう通路で先輩は親身になって、俺に話しを聞いてきた。

「どうしたんだよ。最近、やる気がなさそうに仕事をしているからさ〜」
「何かあったのか?」
俺は心配だった。


あいつがこの会社に入りたての頃から、面倒見よく引っ張ってきた。部下だから、相談があるなら、聞いてやりたかった。

「島田先輩・・・」

先輩の聞いてくれる。気持ちはうれしかった。

「気にしてくれて、ありがとうございます・・・」
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