雨女がくれた恋の奇跡
立花さんは調子に乗っている先輩の様子を見て、


「あのバカ・・・」と呟いた。


順番に会社の従業員たちは相田さんに自己紹介をした。


「俺は綾野と言います」


「私は立花です。よろしくね」


緊張した顔で「綾野さんと立花さんですね」と言い


「よろしくお願いします」と言った。


先輩も含めて、俺たち3人は相田さんと仲良くなれそうだった。

ゼリー状の生命体の姿で私は雨が降る空を水たまりの中から眺めていた。


「今頃。光はお仕事しているんだろうなぁ」


「光が話していた。友達の島田さんや立花さんにも逢ってみたいなぁ」


形を変えながら、水の世界を泳ぎながら、思っていた。


お昼の休憩時間に新人を含めて、みんなでお昼ごはんを食べていた。


「ねぇ相田ちゃんって、呼んでいい?」


顔を赤くして、先輩がそう言うと相田さんは


「はい!そう呼んで下さい」と素直に言ってくれた。

立花さんが「下心が見え見えよ」


「下心ってなんだ!」


「その言い方は!」


「だって顔が赤くなっているのよ」


先輩はそれを聞いて、


「顔が赤い?えぇ・・・」

慌てて、食堂を飛び出して、トイレの鏡で、自分の顔を見に行った。
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