雨女がくれた恋の奇跡
「よかったですね。先輩!」


先輩は俺の手を握って、俺も握り返して、握手をした。


「綾野ありがとう!」


「先輩頑張って、告白して下さい」


「おぉありがとうな」


作業服に着替えた。俺と先輩は仕事を始めた。


水たまりの中で人間の姿のままでいた。


人間には触れることが出来ない水たまりの明るい空間の中で、


私はたいく座りをしながら、見上げていた。遠くに見える水面の先に浮かぶ曇った空を眺めて、


雨が降るように目を閉じて心で祈りを空に込めた。


そうしたら、ポッポッと雨が乾きかけている道をぬらして、降り続けた。


「あぁ雨が降りはじめたね」


「私の願いが叶った」


こうやって、雨を降らせる力があるって、すごいでしょ


成長しきった。私は


昨日。光がくれたキスで寿命がほんの少しだけ延びたけど、着実に寿命は短くなっていた。


「またキスとか抱きしめられたいなぁ」


「そうしたら、また生きれるから、寿命の日まで・・・」


「光は私が雨女だってこと知らないから、近々バレたら、どうなるんだろう」


「別れることになるのかな」


「別れたくないよぉ。不安だね正体がバレることが」
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