雨女がくれた恋の奇跡
工場長も「いいよ」と俺と相田さんに優しく言ってくれた。


俺と相田さんは仏壇に手を添えた。


お線香あげ終わった後に綾野は真面目な顔で私に息子について聞いてきた。


「息子さんは亡くなって、何年になるんですか?」


「もう10年になる・・・」

「いゃ〜私もまだ息子のことが忘れられなくてな・・・」


酒を飲みながら、私は話した。


「今だに仏壇に手を添える度に涙が出るんだよ」


「あなた会社の人にそんなことを言わないの」


妻に「ごめんな」と謝った。


俺は言った。


「俺たち4人を息子。娘と思ってくれて俺はうれしいですよ」


「これからもそう思って下さいよ」


「ねぇ相田さん」


「そうよ」


「工場長。私のことを娘と思ってくれてありがとう。うれしいよ」


「ありがとうな綾野と相田くん」


私はひとり誰もいない光のアパートの前でしゃがんで光が帰って来るのを待っていた。


「光。来ないね」


「今夜は遅くなりそうだね」


「ごめんな綾野つい感情が高ぶって、今夜もう飲まないよ」


「あぁ寝たなぁ〜」


島田先輩が起きた。


「先輩。気分どうですか?」


「おぉ綾野」
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