雨女がくれた恋の奇跡
島田先輩の話しを聞いていた。俺は島田先輩の人柄の良さを語った。


「俺は何て言ったて、高島先輩より島田先輩の方がいいですよ」


「陽気で上司という偉い態度を見せないからですかね」


先輩は俺の言葉を聞いてか、真面目な顔で席を立ち、鈴木さんのところに行った。


「鈴木くん仕事のことで悩む必要はないよ。」


「俺が高島に言っておくから」


島田上司が私の前に来て、悩みを解決してくれて、私は笑った。


「はい島田上司。ありがとうございます。私や立花さんのために」


「いやいや・・・その上司って言うのはやめてくれる?俺のことは先輩と呼んでくれるだけでいいからね」

鈴木さんの悩みを聞く先輩の背中は俺と立花さんには大きく見えた。


その頃いつも通っている歩道沿いには、梅雨の雨に打たれたアジサイたちがイキイキとした姿で美しい花を咲かせて、みずみずしい緑色の葉っぱにはカタツムリが穏やかに生きていた。


歩道から車道の方へ行くと、道の真ん中で長靴を履いた。子供たちが水たまりの中で遊んでいたときに、雨が急に降り出して、「うわぁ雨だ早く帰ろうよ」と子供たちが慌てて散らばるように「また明日ね。さようなら」と言葉をかわしたら、それぞれお家に帰って行った。


3人で社員食堂を出るときに食堂の窓越しから雨の降る音が聞こえてきた。


窓から外を眺めていると、外は冷たい雨が降り、町は滴でぬれていた。


隣で一緒に雨が降る外を見ていた先輩は「ここ最近は梅雨の日が続くなぁ〜たまには晴れの日もいいのにな」


「これじゃ洗濯物も乾かないなぁ〜」と俺の隣で話していた。
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