*イチバンチカク*


――――――


「はぁ……」



今日何度目かしら…



あの日を思い出すと、ため息が止まらない。



『婚約を解消させていただきたいのです』



自分でそう言ったのに、私の目からは自然と涙がこぼれてくる。



あなたの優しさが…



あなたの笑顔が…



とてもとても好きだった…



「セルジュ様……」



彼の笑顔を思い出し、私がベッドに伏しているとコンコンとドアが叩かれた。



今は誰にも会いたくない…
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