*イチバンチカク*
「ヴェネットっ…」
あなたに会いたいっ…
私はいてもたってもいられなくなって、夜着のまま部屋を飛び出した。
長い長い廊下を、必死で彼の部屋へと向かった。
ただ彼に会いたい…
その気持ちだけで、気づくと私はヴェネットの部屋の扉を叩いていた。
――コンコン…
返事はない。さすがにもう寝ているのだろうかと思っていたら、ゆっくりと扉が開いた。
「ヴェネット」
そう言って微笑む私の姿を、ヴェネットは驚いたような表情で見つめている。
「少しだけ…話をしたいのだけれど…」
「…はい」
それだけ言うと、ヴェネットは私を部屋へと招き入れてくれた。