*イチバンチカク*
「あなたに仕えることができて…私は幸せでした」
そう言いながら、ヴェネットは私の前に跪いた…
それが何を意味するのか…
私の頬を涙が伝うのがわかった。
次第に歪んでいく彼の姿に、今まで纏っていた【姫】という衣がはがれていく…
「やめてッ!」
「姫…?」
立ち上がり私に近づくヴェネット…
「そんな事言わないで…」
もうさよならみたいな言い方…あなたの口から聞きたくない…
私はヴェネットの体に腕をまわし、思い切り抱き付いた。
「そんな事…言わないで…」