*イチバンチカク*


これからも…私の側にいて…



騎士としてではなく…



「ヴェネット…私…あなたの事がっ…」

「いけませんッ!」



思わず体がビクリと跳ね上がるような彼の声に、私は俯いていた顔をあげる…



「そのような事をおっしゃってはいけません。あなたは姫君で…私はただの……騎士なのだから…」



そう言いながら私の肩に手を添えると、私の体を自分から引き離した。



「もう…休みます。姫様も風邪をひかれませんように…」



そう言いながら私をドアへと促した。



姫と騎士…私はそんな事関係ないのに……



私は俯くヴェネットの姿をじっと見つめた…



決して忘れぬよう、愛しい人の姿を…目に、焼き付けるために…



そして部屋を出るとそっとドアを閉めた…



さよなら…ヴェネット……
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