*イチバンチカク*
その言葉に俺ははっと目を見開いた。
「何のことです…」
「とぼけるな。騎士の分際で王族にやましい感情を抱くとはな…」
その言葉に、俺の胸はチクリと痛んだ…
そのまま無言で剣を交えていると、男は更に言葉を続けた。
「あんたの大事なお姫様は俺のものになる…なぁに…結婚して国さえ見方につければ後はようなしだ」
後はようなし…その言葉に、俺は思い切り相手の剣を弾き返した。
「うわっ…」
そのまま態勢を崩した男目掛けて思い切り剣を突き出す…
しかし…
(駄目だッ…)
ギリギリで思いとどまった俺は、とっさに剣の軌道をずらした。