*イチバンチカク*
――キーンッ…
気付くと、俺の剣は遠くに弾かれていた。
「これで決まりだ」
ギラギラと野心を目に宿らせた男が俺を見下ろしている…
俺の背中に冷たい土の感触を感じ、ああ俺は負けるのだと感じた。
姫……
頭に浮かぶのはあなたの事ばかり…
なぜあの時、俺はあなたを抱きしめる事ができなかったのか…
なぜあの時、俺もあなたが好きだと言うことができなかったのか…
俺はゆっくりと目を閉じた。
姫…あなたの幸せを願っています…
できる事なら…この手であなたを守りたかった……