*イチバンチカク*
「お前はヴェネットの何を見てきた。おまえを見つめる目が、【ただの姫君】を見つめる目か?」
「……それは…?」
「ヴェネットはずっとお前を愛していた。もちろん、ひとりの女としてだ」
うそ……
私はゆっくりと視線をヴェネットに向けた…
剣を交えたまま動かないふたり。
その時、ヴェネットがこちらを見た気がした。
「ヴェネット…」
あなたが…私を…?
「自分が騎士だという身分から、お前を突き放したんだろう…お前の幸せを願ってな…」
そう言うお父様をじっと見つめていると、突然歓声が聞こえた。
急いで目を向けると、男が倒れている。