*イチバンチカク*


――――――


闘技場に響き渡る姫の声…



「俺は…負けられない」



呆然とする男を振り落とすと、俺は弾かれた剣を手に取った。



俺の手で…あなたを手に入れる…



胸の前で一旦剣を構えると、一気に男にむかって駆け出した。


―――――


「そこまでッ!!」



剣の切っ先を相手の首筋に突きつける。



「勝者…ヴェネットッ!」



――うぉぉぉ…



割れるような歓声の中、俺はひとりの人物を探した。



そしてその姿を見つけると、大声で叫んだ。



「姫ッ!!」
< 42 / 46 >

この作品をシェア

pagetop