*イチバンチカク*
――――――
闘技場に響き渡る姫の声…
「俺は…負けられない」
呆然とする男を振り落とすと、俺は弾かれた剣を手に取った。
俺の手で…あなたを手に入れる…
胸の前で一旦剣を構えると、一気に男にむかって駆け出した。
―――――
「そこまでッ!!」
剣の切っ先を相手の首筋に突きつける。
「勝者…ヴェネットッ!」
――うぉぉぉ…
割れるような歓声の中、俺はひとりの人物を探した。
そしてその姿を見つけると、大声で叫んだ。
「姫ッ!!」