遠くて温かい
スカートをほんの少しめくると、くっきりと浮かんだ青あざが痛々しい膝小僧が姿を表す。

「…どんくせー」

顔をしかめて言う駆は更に溜息をつくと

「そんな簡単にスカートめくるなよ」

と…機嫌を右下がりに急降下させる。

「駆のせいなのに…私は一緒に朝ご飯も食べたくて準備もしてたのに…」

ぶつぶつ言いながら、会社に向かっていると、ぎゅっと力強く握られる右手。

見上げると、あっかんべをしながら私を見下ろす駆の憎たらしい顔。

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