Memory's Piece

魅稀用ブラシでサフの体を撫でていると、また肩をトントンと叩かれた。

思わず手を止めて振り向くと、さっきまでサフがいた位置に赤いヤツがいた。


「お前もするか?」


勢い良く頷いてくる赤いヤツに俺は苦笑しながら「ちょっと待ってろ」とサフへのブラッシングを再開する。


「・・・・エロモまで。」


「逃げられないように縛り付けたのに・・・」と何かをブツブツと呟く頼兎を横目に、俺はサフへのブラッシングを済ませ、赤いヤツにもブラッシングを始める。


「・・・波狼さん、ソイツらにそんなことしなくて良いっすよ?面倒でしょ。」


何事かをブツブツ呟いていた頼兎がウンザリとした風に言われ俺は何で?と首を傾げた。


「なんで・・・・・って言われても・・・・。」


「可愛いものは好きなんだ。苦痛になんか思わないよ」


「・・・・かわいい・・・?」


絶句したように沈黙されてしまった。

それこそ、なんで?だ。

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