Memory's Piece
――――――・・・
「・・・・またか。」
思わずついて出た言葉はそんな言葉だった。
・・・・何となく予想していたことだ。
整った字で書かれた何処か淡々としたメモを綺麗に折りたたんで、俺は用済みになった魅稀分の昼飯をベッドに放り投げた。
床に座り込んで、ベッドを背もたれ代わりに天井を見上げる。
脱力だ。力が抜けて、体が言うことを聞かない。
ポッカリと心のに穴が開いた気分だ。これは、魅稀がいなくなった後にいつもなる感覚。
何処か心もとない気分にさせる大きくもなく小さくもない心の穴。
ふと、頼兎のセリフが頭のなかに思い出された。
『実は二人、付き合ってたりとかするんすか?』
あの時は即否定した俺だが、一人になった今なんとなく余裕が出てきた頭の中で自問自答してみる。
「好き・・・・・・ねぇ・・・。」
言われるまで考えたこともなかった魅稀との関係。
ぼんやりとしていたら、ベッドの上で跳ねるようにして遊んでいたサフが突然、窓を開けた。
何事かと首を巡らせてみると、一枚の紙が不自然なくらいに自然にヒラリヒラリと入ってくる。
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