Memory's Piece
「魅稀、待っ・・・・・・・・・・!」
ボクの本気の殺気を感じ取ったらしい頼兎が制止の声をあげる。
立ち上がり思わずといった感じで近づいて来ようとする頼兎を睨もうと視線を向けたとき突如オレンジ色のものが視界の端に見えた。
それは全く見えていなかったらしい頼兎の顔面に直撃。
「うわー、うわー、マジ痛ぇ!」
「・・・・・頼兎」
ぶちギレていたボクでもちょっと心配になるような派手な音に無意識に名前を呼ぶ。
馬鹿みたいに痛がる頼兎につい桃亜姉と目を合わせて波狼とも目を合わせる。
なんだこの状況は。
という空気がボク達三人の間に流れているのに気が付きもしないままドタバタと何かをしている。
『言わないつもり?』
「・・・・・言う。だからしばらく待ってくれ。」
不可思議物体の突然の登場に派手にぶちギレてるのが何だか馬鹿馬鹿しくなって、ボクは目線だけで波狼に問い掛けた。
頭から水をかけられて目が覚めたみたいな。そんな感じ。
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