Memory's Piece
昼は何もなかったのになんでか胸がざわついて落ち着かない。
原因不明なざわつきに無性に苛々する。
その時、ふと後ろの席の会話が耳に届いた。
男が二人控えめな声でコソコソと話をしてる。
猫耳をピンッと張って耳を澄ますと、
『しかし、マジで驚いたな』
という声がはっきりと聞き取れた。
一体何に驚いたのかと、スパゲッティで汚れた顔を拭きながら文句を垂れる波狼に黙るように睨みつけてボクはさらに耳を澄ませる。
『あぁ、空から落ちてきたくせに無傷だったんだろ?』
『フードであんま見えなかったが見ない顔だったし、あれはルーキーだよな。』
『・・・・化け物だな。妖猫のミケ並じゃないか??』
『おいっ・・・・・、』
相棒らしき方がボクのほうに視線をやり、注意を促す。
ボクは聞こえてなかったふりをして、
「何か来たのか?」
ポソリと呟いた。
それも、ボクと関係のある何かが。
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